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WEBコラム【第1話】地域への関わりに 新しい選択肢

更新日:202403251614


シリーズ「みんなで生きる、みんなが活きる」【第1話】

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会えなくても、つながれる。「オンライン公民館」

 2020年4月、新型コロナウイルスの流行で公共施設が休館し、市民活動の場が奪われました。そこで、新たな交流の場として「オンライン公民館」が誕生。始めたのは、久留米を拠点に事業やイベントの企画を行う翁昌史さんと中村路子さんです。参加者はビデオ会議アプリ「ZOOM」上で交流します。5月4日、5日から始まり、毎週日曜に開催。参加者はじわじわと増え、多い時は70人ほどが来館しています。
 コンセプトは「距離を保つ時代に、心の距離がぐっと近まる」。1日に10数個の多彩な企画が並びます。多くのつながりをつくる「友達の友達の友達とトモダチになれるのか」、久留米絣愛溢れる女性の「カスリトーーーク」、家族の絆について考える「ファミリータイズ」など。顔を出して企画に参加しても、顔は出さずラジオを聞くように楽しんでもOK。入退室も自由です。

企画ラインナップ ある一日の企画ラインナップ。各企画への参加スタイルをアイコンで表示しています

"機能不全"を "革命"に変換

 「きっかけはコロナ禍で街に現れた機能不全。自治の拠点である公共施設が休館するだけで、まちの動きがこんなに止まるんだと実感しました。そんな中でもネットワークコミュニティは動いていた。それを生かそうと思いました」と翁さんは話します。
 中村さんは"新しい居場所の誕生"と表現。「地域との関わり方に起こった革命です。地域や人と関わる入口が増えただけでなく、関わり方の幅が広がった。現実の場より気軽に企画を実現できるし、顔を出さずに参加できるから、"透明人間"として場に居られる。今まで地域と関わる機会がなかった人も関わりやすいんじゃないかな」。

オンライン公民館の画面 パソコンやタブレット上で展開されるオンライン公民館の講座の一コマ

新たな可能性。オンラインで出会い、リアルでもつながる

 インターネット上のオンラインは、距離を超越できるツール。世界中から誰でも参加できます。しかし、たくさんの"地元の人たち"で賑わっているのが、このオンライン公民館です。
 「地域に飛び込むのは敷居が高い」「家から出るのがおっくう」「暇が無い」。近くに居ながらも繋がりきれてなかった人たちの心の壁を取り去っています。世代や立場を越えて、今まで会った事の無い "ご近所さん" たちが繋がっています。
 オンラインだけでなく、現実の地域と融合した企画も生まれています。7月5日、江上校区コミュニティセンターの池口隆会長が出演しました。中村さんと校区を歩きながら、名所や史跡をクイズ形式で紹介。画面を通して参加者と交流しました。これからも市内各所で展開される予定で、新たなつながりを生む可能性を秘めています。

リアル公民館との融合 オンライン公民館事務局長の中村さん(左)が池口会長と一緒にまち歩き

 オンライン公民館は、日本公民館学会も注目。定例会の課題研究の題材に選ばれました。自らを"ギリギリ"公民館世代と言う2人が生んだ、新たな集いの場の形。じわりと広がりを見せています。
(第1回終わり)


|この動き「くるめ支え合うプラン」ではどの取り組み?|

今回の話題は支え合うプランの13取り組み項目中「3.誰もが集える場の拡充」に該当

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