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更新日:2023年09月01日 08時52分
中東呼吸器症候群(MERS)は、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症です。
原因となるウイルスはMERSコロナウイルスと呼ばれています。
2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因となった病原体もコロナウイルスの仲間ですが、SARSとMERSは異なる病気です。
これまで、主として中東地域で患者が報告されているほか、アメリカ合衆国やヨーロッパ(イタリア、英国ほか)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、チュニジア)のほか韓国でも、中東地域で感染した人(輸入症例)もしくはその患者と接触した人の感染が報告されています。
人がどのようにしてMERSに感染するかは、まだ正確には分かっていませんが、ヒトコブラクダがMERSウイルスの感染源動物の一つであるとされています。その一方で、患者の中には動物との接触歴がない人も多く含まれており、家族間、医療機関における患者間、患者−医療従事者間など、濃厚接触者間での限定的なヒト−ヒト感染も一部報告されています。
主な症状は、発熱、せき、息切れなどです。下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。MERSに感染しても、症状が現われない人や、軽症の人もいますが、特に高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人で重症化する傾向があります。
現在、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はなく、症状に応じた治療(対症療法)になります。
中東地域等、MERS患者の発生が報告されている地域に旅行する場合は、渡航前に現地の最新情報を確認してください。
また、旅行中は咳やくしゃみの症状のある人や、動物(ラクダを含む)との接触は可能な限り避けましょう。
海外渡航時の一般的な注意については、海外渡航者のための感染症情報のページをご覧ください。
また、帰国時に発熱や咳などの症状がある方は、空港内等の検疫所へご相談ください。
帰国後14日以内に、発熱や咳などの症状がみられたら、直接医療機関を受診せず、事前に保健所に連絡の上、中東地域等に滞在していたことを告げてください。
MERS啓発リーフレット(久留米市保健所版)(192キロバイト)
以下の要件を満たす患者を診察した場合には、ただちに保健所(電話番号0942-30-9730)までご連絡ください。
患者が次のア、イ又はウに該当し、かつ、他の感染症又は他の病因によることが明らかでない場合、中東呼吸器症候群への感染が疑われるので、中東呼吸器症候群を鑑別診断に入れる。ただし、必ずしも次の要件に限定されるものではない。
厚生労働省から、MERSの国内発生時の対応に関する通知が出ています。
平成27年5月から韓国においてMERSが報告されていましたが、7月5日以降新規患者の報告がされておらず、我が国への感染拡大の懸念が極めて低くなったと考えられることから、平成27年9月18日をもってMERSの検疫強化対象国から韓国が除外されました。
平成27年9月18日付 中東呼吸器症候群(MERS)の国内発生時の対応について(197キロバイト)
平成27年6月10日付 中東呼吸器症候群(MERS)の国内発生時の対応について(747キロバイト)
平成27年6月5日付 韓国における中東呼吸器症候群(MERS)への対応に関する具体的な運用について(200キロバイト)
平成27年6月4日付 韓国における中東呼吸器症候群(MERS)への対応について(1278キロバイト)
平成27年6月1日付 韓国における中東呼吸器症候群(MERS)の発生について(1096キロバイト)