トップ > 計画・政策 > 人権・同和問題・男女平等 > 人権啓発 > 共に生きる(広報紙) > シリーズ【23】学びを深め「人権力」を育てる
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更新日:2023年03月31日 10時39分
全国で約1万4,000人が人権擁護委員としてさまざまな活動を行っています。その取り組みについて久留米人権擁護委員協議会会長の西村英治さんに聞きました。
人権擁護委員の制度は、昭和23年から発足していて、歴史はとても長いんです。大きな役割は、いじめや差別、暴行、虐待など人権に関わる「相談」を受けること、人権侵害された被害者の「救済」とイベントなどでの「啓発」です。悩んでいる人と会って話を聞いたり、電話相談を受けたりしています。場合によっては、法務局と連携して関係機関へつなぐことも。小中学生には「人権SOSミニレター」を配布して、友人関係の悩みや家庭のことなどについて手紙で相談を受けています。地域で人権問題について知ってもらい、考えてもらうために保育園・幼稚園、小・中学校、高校、企業で教室を開くなど、積極的に出向いて啓発活動をしています。
学力や体力だけでなく、「人権力」を育てることが大切と伝えています。私は「人権力」とは人権問題について学び、解決に向けて行動し、外に向けて発信していく力だと考えています。いかに自分ごととして人権を考えていけるか。視点を変えて、自分が相手の立場だったらと置き換えて行動できるようになれば、人権問題は減っていくはずなんです。
全ての人に平等に与えられ、人生の全てに関わっているのが人権。新型コロナ感染症の拡大で社会が分断されたことは、人権を考え、学び直す機会になったと思います。医療従事者に対しての差別など、新たな問題が生まれたり、誰にも悩みを相談できずにため込んでしまう状況になったりしました。人権問題は社会問題であり、一人だけでは解決できません。たくさんの人がつながって、日々コツコツと解決に向けて動かなければなりません。その動きを少しでも止めると、すぐにまた後退してしまいます。そうならないためにも、私たち人権擁護委員は地域の中で日々活動しています。皆さんと共に正しく学び、「人権力」を高めていきたいです。もし悩んでいることがあれば、小さなことでも気軽に相談してくださいね。
大橋小学校での人権教室の様子。受講者に合わせたテーマで伝えています