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更新日:2023年01月27日 11時56分
日本は1994年に、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた「子どもの権利条約」に同意しました。条約の考え方を踏まえた「子ども基本法」が4月1日に施行されます。子どもたちの支援を続ける松﨑佳子さんに話を聞きました。
福岡市職員として1974年から児童相談所で働いていました。平成になり、児童虐待の相談件数が増加したことを受け、対応のひとつとして力を入れていたのが里親制度。子どもたちが元の家庭に戻ることを視野に入れ、一時的に里親家庭の元で生活する公的な制度です。この制度を通して多くの家族と関わりました。育児に疲れて心に余裕がなくなった結果、虐待してしまう人がたくさんいることに気付いたんです。そういった困り事を抱える家庭が孤立しないように、まずは誰もが子育てに関心を持つことが必要です。
近所の人や友人、親戚など、身近なところで困っている人はいないか、自分にできることはないか、とアンテナを張るとちょっとした違和感にも気付くようになります。声掛けなどをして、普段から子育て中の家族や子どもたちと関係性を築いておくことも大切です。気兼ねなく話せる相手には、本当に必要なときに助けを求められるから。それが子どもの権利を守ることにもつながります。
私は、「子どもの声にきちんと耳を傾けられる社会でありたい」という思いをモットーに支援活動を続けてきました。これは新たに施行される「子ども基本法」の基本理念のひとつです。子どもは話を聴いてくれる相手がいるだけでも、「自分には居場所がある」と感じます。この法律が、子どもの権利を社会全体で守っていく仕組みづくりの一歩になると信じています。
全てのこどもに愛であふれる生活を経験してほしい。そして、子どもたちが自ら思いや考えを発することができる社会をつくれるように、これからも支援を続けていきます。
「子どもたちが孤立しない社会を作りたい」と話す松﨑さん