トップ > 計画・政策 > 人権・同和問題・男女平等 > 人権啓発 > 共に生きる(広報紙) > シリーズ【17】見えていない問題に気付く
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更新日:2022年09月28日 10時07分
人権擁護委員として、地域からの人権相談を受けたり、啓発活動を行ったりしている小坪喜代子さんに話を聞きました。
北野町で農業をしています。結婚した当初は、朝から晩まで農業と育児に追われ、自由にできる時間やお金はほとんどありませんでした。男性と同じように農作業を行って、家事は当たり前のように私が行っていました。でも、周りの女性もそうだったし、毎日の生活で精いっぱいだったこともあり、疑問に感じることはなかったですね。
考え方が変わったのは、県女性農村アドバイザーになり、研修を受けて、多くの人と知り合ってからです。同じ農業者で、勉強熱心な人たちを見て、私もお金を出してでも、さまざまな研修を受けたいと思うようになったんです。農家の女性も給与をもらって学んだり、希望を実現したりする必要があると感じました。学んでいくことで、当たり前だと思っていたことのおかしさに気付くことができました。今は家族経営協定を結び、給与をもらっていますし、休日もあります。協定は、家族できちんと話して結びました。家族であっても、改めて役割や考え方を理解しあうことは大事だと思います。
人権擁護委員として活動するようになって、ますます学ぶことの大切さを実感しています。擁護委員には、人権に関するさまざまな相談を受け、アドバイスをしたり、関係機関につないだりする役割があります。社会の変化に伴って、人権課題も変化しています。対応するためにも研修に参加したり、同じ委員の人と話をしたりすることが必要なんです。そうすると自分の人権のアンテナが広がります。アンテナが広がると、困っている人が近くにいること、普通だと思っていたことの誤りなどに気付けます。
私たちの周りには、人権侵害で苦しんでいる人がいます。気付かないのは問題を見逃すのと一緒です。誰かがSOSを出しているかもと思ったら、声を掛けてください。声を掛けるのは勇気が要りますが、無関心でいることの方が問題。一人一人の学びと気付きの積み重ねが、誰もが住みやすい社会を作っていくと思います。
「目の前のおかしさに気付けたのも学んだからです」と語る小坪さん