トップ > 計画・政策 > 人権・同和問題・男女平等 > 人権啓発 > 共に生きる(広報紙) > シリーズ【15】国籍に関係なく「個人」という意識を
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更新日:2022年07月27日 11時29分
ワンストップリーガルネットの代表で、在住外国人の在留資格の取得や避難民の受け入れなどの支援をしている大内田治男さんに話を聞きました。
大内田治男さんのプロフィール
社会保険労務士、行政書士として、ワンストップリーガルネット久留米代表や「わの会」の代表理事なども務める。市の相談業務なども担っている。
50年程前、当時勤めていた会社が手掛けていた港の建設事業で、2年半イラクに住んでいました。文明の発祥地の一つである中東が開発途上にあるのを目の当たりにし、衝撃を受けたのを覚えています。30年前に久留米に戻り、暮らしに困る外国人を支援したいという思いで、在留資格の手続き代行業務ができる行政書士の資格を取得。在留資格の取得や避難民の受け入れなどさまざまな支援をしてきました。最近では、アフガニスタンからの避難民支援に力を入れています。
ロシアのウクライナ侵攻があり、日本でも避難民の受け入れ体制が整えられています。一方で、ロシア人へのいやがらせが、日本でも実際に起きています。ロシア料理店の看板が壊されたり、SNSで誹謗中傷が投稿されたりしているんですね。戦争はあってはならないことですが、私たちの身近にいる人たちに矛先を向けるのは間違っています。国のイメージだけでネットで悪意のある書き込みなどをしてしまうのは、受け取る個人の想像ができていないからです。相手の気持ちを意識したら、ひどくけなしたり、嫌がらせしたりはできないと思います。行動や発言の前に一度自分を見つめて、冷静になって相手のことを考えることが大切です。
国籍は違っても、みんな同じ社会で暮らしています。働いたり、教育を受けたりして社会とつながることは、私たちにとっても、外国人にとっても生きていく上でとても大切です。外国人だからと最初から退けるのではなく、みんなが社会とつながっていくために、相手の文化や習慣を尊重し、話し合うような気遣いが必要。困ったらお互いさまという気持ちで助け合いができるようになれば、より良い関係を築くことができるはず。外国人として見るのではなく、今一緒に暮らしている「個人」という意識を忘れないようにしたいですね。
本棚にさまざまな国の資料が。多くの外国人の支援をしてきたことを物語っています