トップ > 計画・政策 > 人権・同和問題・男女平等 > 人権啓発 > 共に生きる(広報紙) > シリーズ【10】当たり前の壁を取り除く
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更新日:2022年02月28日 12時04分
国内の在留外国人は増えていて、国際化が進んでいます。市内にも約4,100人の在留外国人が暮らしています。在留外国人を対象に、日本語教室の講師をしている田原孝一さんに話を聞きました。
小学校で「日本語指導」を担当する他、昨年から外国ゆかりの人の日本語教室で講師もしています。日本語教室には、さまざまな国の人が学んでいます。生徒の中には「話すことはできるので、文章を読んだり、書いたりできるようになりたい」、「仕事で使えるように、正しい日本語を学びたい」など、それぞれの思いがあります。
以前は、ローマ字に読み仮名を書いたり、英語を使って説明したりしていましたが、うまく通じませんでした。日本語のままで、平仮名と漢字を使って丁寧に伝えるほうが分かりやすいと感じています。
言葉や習慣など私たちにとっては「当たり前」のことが、外国人には分からないことがあります。例えば「失礼します」という言葉は、「入室します」、「先に帰ります」、「すみません」など、その時の状況で意味が変わります。「大丈夫」は、肯定にもなれば、逆の意味になることも。外国人にとって、私たちが「当たり前」に使いこなしている言葉の違いを理解することは難しいことです。その当たり前の違いから、日常生活でのコミュニケーションが取りづらくなっていると感じています。
教室終了後も「日本語をもっと知りたい、たくさん勉強したい」という、意欲を持つ人がいます。そういった気持ちに応えるためには、例えば、私たちからあいさつしたり、気軽に声を掛けたりして、少しずつつながるきっかけを作ることもいいですね。外国人に日本の文化や生活を理解してもらうだけではなく、私たちからもそれぞれに違いがあることを理解して、お互いに接することが大切です。異なる言語や文化を持つ人たちが共に生きていける「多文化共生」を目指していきたいですね。
「日本語教室には中国出身の人が毎回応援に駆けつけてくれました」と話す田原さん