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シリーズ【9】人の違いを認めることから

更新日:202310250844


人の違いを認めることから

 障害があってもなくても、分け隔てなく、安心して暮らせる豊かな社会について、東俊裕さんに話を聞きました。

熊本学園大学教授・東さん

健常者を基準に作られた社会

 「あなたは差別をしたことがありますか」と聞くと、多くの人は「ありません」と即答します。ところが「差別とは何ですか」と聞くと、大抵の人は答えることができません。これでは、自分の言動が、差別にあたるかどうかを判断するのは難しいですよね。差別をなくす第一歩は、何が差別なのか、共通理解を深めることから始まります。平成28 年に「障害者差別解消法」が施行されました。見えない、聞こえない、歩けないといった機能障害を理由した不当な差別的取り扱いの禁止や、建物にスロープをつけたり、分かりやすい言葉で文章を書いたりする合理的配慮が、少しずつ広がっています。しかし、今でも社会の制度や仕組みは、健常者の利便性を基準に作られています。

制度や仕組みを変えるきっかけに

 私が勤務する大学の学食はセルフサービスです。自分でおかずを取って席に移動する。健常者には当たり前のことかもしれません。私の場合は、膝にのせたトレーを支えながら、片手で車イスを動かさなければならず、至難の業です。スーパーや図書館の棚も上にある物には届きません。誰もいない時は、我慢するしかありません。誰かの善意に頼るしかない社会では、差別はなくなりません。子どもでも大人でも、できる事には違いがあります。障害のあるなしではなく、誰にでも違いがあることを理解すれば、制度や仕組みを変えるきっかけになります。

できる事から変えていく

 小学校では、子どもに合わせた机やイス、棚がありますよね。それが、社会に出たとたん、さまざまな人がいるのに統一されてしまう。障害者が不便さを感じない環境は、子ども、妊婦、高齢者など誰にとっても安心して生活できる環境なんです。不便さに直面した時、それぞれの立場でお互いを理解し、課題解決に向けて話し合うことが大切。できる事から変えていくことで、差別がなくなり、障害がある人もない人も、共に住みやすい社会になりますよね。

ひもを引いて扉を閉める工夫をしている東さん ひもを引いて扉を閉める工夫をしています

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