トップ > 計画・政策 > 人権・同和問題・男女平等 > 人権啓発 > 共に生きる(広報紙) > シリーズ【6】性別にとらわれず認め合える社会へ
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更新日:2022年01月13日 15時32分
世界共通の目標である持続可能な開発目標・SDGs (エスディージーズ)の1つにジェンダー平等の実現があります。ジェンダーとは、「男性だから、女性だから」というような社会的、文化的につくられた性差のことです。
ジェンダー平等の実現に向けてジェンダー研究者の寄藤晶子さんに聞きました。
私の講義を受けている女性の学生のうち、毎年1 人、2 人は家事の手伝いや家族の介護などで講義を休みます。話を聞くと、兄弟がいても女性というだけで役割を担わされているんです。新型コロナの流行で、影響を受けたのは小売業界や航空業界など女性の多い職場。さらに別の職場への出向や離職を強いられることは女性が多いように感じます。女子学生の就職にも影響は出ていますね。家族や社会からの意識には、まだ女性に対する役割の押し付けや格差が残っています。
今までの意識を変えるのは、なかなか難しいですが、この2、3 年で学生たちの認識はジェンダーによる差別は間違いだという風潮になっていると実感します。男女混合名簿や選択制の学生服の導入など、教育の中での仕組みづくりが進んでいることで、学生たちはジェンダー平等に対する気づきを得ているんだと思います。この気づきを広げるためには、地域の中でいろんな仕組みに関心を持ち、工夫して変えていくことが大切です。
誰もが、生活してきた環境などで自分の中にバイアス(偏見)があります。大切なのは、一人一人がこれを自覚し、絶えず自分を振り返ること。そしていろんな人が議論し合える環境や、受け入れていく環境を作る必要があります。そのための第一歩は、無意識のうちに刷り込まれた偏見に気づくこと。例えば男は青色、女は赤色とイメージするのは無意識の偏見です。男らしい、女らしいにとらわれず、好きなものを気兼ねなく選べるような社会の土壌ができていくと良いと思います。さまざまな形で大丈夫と言い合い、認め合える部分をたくさん作っていくと、もっとみんなが生きやすい社会になっていくと思います。
講義では書籍からテーマを取り上げたり、映画を鑑賞したりしてジェンダーを考えます