トップ > 計画・政策 > 人権・同和問題・男女平等 > 人権啓発 > 共に生きる(広報紙) > シリーズ【3】生き方の選択肢を増やすために
0030
更新日:2022年01月13日 15時37分
2021年、世界経済フォーラムが発表した日本の男女平等の格差は156カ国中120位で、世界的に見ても日本の男女平等が進んでいるとは言えません。妻がモーターボートレーサーで専業主夫の日高邦博さんに話を聞きました。
結婚して長女が生まれたのを機に専業主夫になりました。妻は職業の特性上、月の半分以上は留守なので、主に私が育児をしました。私たち夫婦は、男性は「仕事」、女性は「家庭」という性別による役割を意識したことはありませんでしたが、子育てする環境の中で感じることが多々ありました。育児講座や健診などに行くと、男性はいつも私一人。最初は参加するのも恥ずかしかったです。抱っこひもなどの子育て用品も今ほど機能的ではなく、男性にとって使いにくいものもありました。性別役割分担意識は女性の社会参画を阻害するだけでなく、男性にとっても生き方の選択肢を狭める要因になります。
慣習や慣例は給与格差や昇進差別を生む一因となり、女性の社会進出を阻害してきました。人々の意識が変わらない、男女平等が進まない根源は、この慣習や慣例にあると思います。同時に、女性の中にも「それは男性の役割だから、私たちは縁の下の力持ちでいい」という考えの人もいたはずです。誰もが性別にとらわれず、生きやすい環境をつくるには、互いを尊重し、理解し、変わることへの勇気や希望を誰もが持たなくてはなりません。
最初はママ友社会から、異性として距離を置かれているように感じました。ところが、時間がたつにつれ「同じ子育てをしている仲間なんだ」と受け入れてくれるようになり、「今晩何作る?」があいさつになりました。一歩踏み出すことで周囲の意識も変わったんです。
家事や育児に参加することで、子どもの成長をそばで見られました。2人の子どもはすでに成人しましたが、「結婚するならパパのような男性がいいな」と言ってくれます。人生には色んな選択肢があると思います。誰もが自由な選択ができる環境づくりが進むことを願っています。
「できる人ができることを相手を思いやって行動に移すことが大事です」と語る日高夫妻