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更新日:2024年10月21日 11時53分
令和5年度決算のポイント
令和5年度決算の概要
令和5年度の日本経済は、コロナ禍の3年間を乗り越え、30年ぶりとなる高水準の賃上げや、企業の高い投資意欲など、前向きな動きが見られました。一方で、物価高の影響等によって、個人消費や設備投資は依然として力強さを欠く状況も続きました。こうした状況に対して、政府は「デフレ完全脱却のための総合経済対策」(令和5年11月)を策定、補正予算を編成し、足元の物価高から生活を守る対策に万全を期しながら、賃金と物価の好循環の流れを推し進めている状況にあります。なお、令和5年度の地方財政計画では、地方自治体が安定的な財政運営を行うことができるよう、地方税や地方交付税等を合わせた一般財源総額は前年度を上回る62.2 兆円となっています。
乳幼児等健診事業の充実や、ワクチン接種などによる感染症予防対策、動物管理センターの移転・新設など
令和5年7月大雨に関する復旧対応、久留米大学等の貯留施設の整備や、田んぼダムの促進、「みんなで流域治水!」の取組による浸水対策など
3回目の国際認証を取得したセーフコミュニティ活動による日常的な安全対策の強化、高齢者の交通事故防止対策など
道路・橋りょう・公園などインフラ施設の適切な維持管理と長寿命化、老朽空家の除却促進など
宮ノ陣クリーンセンタ-・上津クリーンセンターによる安定したごみ処理体制の確保、公共施設ZEB化などの省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入によるゼロカーボンシティ実現に向けた取組など
中小企業のDX促進やキッチンカー導入支援、若年層向けの創業支援や宇宙日本食開発支援、新産業団地の整備など
将来の担い手の確保、高性能機械の導入や基盤整備による生産性の向上、農産物の高付加価値化を図る6次産業化等の取組への支援など
観光PRコンテンツの造成や宇宙国際会議(ISTS)をはじめとするMICE誘致など
内環状道路や西鉄大善寺駅前広場の整備、JR久留米駅前第二街区再開発への支援など
水の祭典久留米まつり、筑後川花火大会、くるめ光の祭典などのイベントの実施、全ての世代が楽しむことができる都市公園の整備など
子ども医療費や給食費の軽減、いじめ防止や不登校の児童生徒への支援、安心で快適な教育環境の整備など
アスリートへの支援、久留米市美術館や久留米シティプラザ、久留米アリーナを活用した文化芸術スポーツ活動の振興など
基本的人権を尊重する人権教育や啓発活動、男女平等の推進、地域や職場などあらゆる分野における女性活躍促進など
校区コミュニティ組織への支援の充実、市民活動団体の活動支援など
ヤングケアラーの早期発見と相談支援体制の充実、認知症の方やその家族の支援活動、障害者相談支援の充実など
電子図書館の導入やキャッシュレス決済の拡大等、行政サービスの利便性や効率性の向上、国・県や近隣自治体との連携強化など
決算規模は、一般会計の歳出総額が1,495億7,048万円で対前年度比42億3,276万円、2.9%の増となりました。これは新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、感染症対策関係経費が大きく減少したものの、令和5年7月の大雨により甚大な被害が発生し、災害復旧に多額の費用を要したことによるものです。また、人件費、公債費は減少した一方で、扶助費である物価高騰対策や子育て支援に関する給付金の増加が影響し、義務的経費全体では対前年度比2.3%の増となりました。
次に、歳入総額は1,507億1,473万円で対前年度比41 億1,026万円、2.8%の増となりました。これは、災害復旧に伴い、財政調整基金を10億円取り崩したことなどによるものです。歳入の根幹である市税は、個人市民税や固定資産税が増加するなど、全体で対前年度比0.6%の増となりました。また、地方交付税は特別交付税の増加により3.3%の増、寄附金はふるさと久留米応援寄附の減少により18.0%減となりました。これらの結果、形式収支は11億4,425万円、実質収支は7億7,013万円となりました。
経常収支比率は、歳入面で市税が増加した一方、地方消費税交付金や臨時財政対策債が減少したこと、歳出面では定年延長に伴い退職金が減少したものの、扶助費が増加したことにより、前年度に比べ0.9ポイント増の95.6%となっています。また、基金残高は、財政調整基金を取り崩したことにより、前年度に比べ12億8,392万円減少し、220億9,637万円、地方債残高は、合併特例債や臨時財政対策債の償還が進んできたことにより、前年度に比べ40億680万円減少し、1,273億2,817万円となりました。このほか、国民健康保険事業など10の特別会計の歳出決算額は、総額1,004億4,327万円となりました。
政府は、当面の経済財政運営の考え方として、賃上げの流れを中小企業、地方等でも実現し、賃金と物価の好循環により、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを目指しています。
久留米市の令和5年度決算では、市税が過去最高額となったものの、地方全体の市町村税の伸び率には届いていません。また、伸び続ける扶助費や老朽化が進む公共施設等への対応が必要な中、今後は、賃金や物価、金利の上昇等についての対応も必要となり、財政の硬直化リスクが更に進むことが見込まれます。
このような中で、久留米市の特性や魅力を生かしたまちづくりを進めていくためには、引き続き、人口を維持する施策を強化し、また、急速に変わる社会状況に即した事業へ、限られた資源と予算を効率的に活用していくための、行財政改革の取組を不断に進めていくことが重要であると考えます。