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更新日:2022年08月17日 14時03分
皆様、おはようございます。
平成28年第2回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご多用中にもかかわりませずご参集を賜りまして、誠にありがとうございます。本日ここに、提案いたしております各議案の提案理由を説明申し上げますが、はじめに、4月14日に発生しました熊本地震について、そして、現在取り組んでおります重要施策の中から、「大規模プロジェクト」及び「地方創生」の2点について述べさせていただきます。
まず、「平成28年熊本地震」についてでございます。
改めまして、犠牲となられました方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
久留米市では、4月14日の地震発生以来、市議会をはじめ、市民の皆様、そして様々な企業や団体の皆様のご協力をいただきながら、被災地や被災された方々への支援に取り組んでまいりました。
これまで、被災地への緊急救援活動や給水活動、支援物資の搬送、建物の危険度調査、避難所運営や避難者の健康相談などの支援のため、6月5日までに、延べ600人を超える職員を派遣しますとともに、久留米市に避難して来られた方へは、市営住宅の無償提供や市立学校への就学、心と体の健康相談などの支援を行ってきたところでございます。
また、宮ノ陣クリーンセンターの整備により、1日36トンまでの災害ごみ処理が可能になりましたことから、早速、4月27日より、菊池市など2市2町で構成される菊池環境保全組合、及び熊本市からの受け入れを行っているところでございます。
市民の皆様や企業の皆様からは、飲料水や生活用品など、3万6千点を超える救援物資が寄せられ、大勢の皆様が、ボランティアによる支援活動を行っていただいております。
また、市にお寄せいただいた義援金は、3千万円を超え、そのうち2千万円を日本赤十字社を通じて被災地にお送りするとともに、久留米市からの見舞金2千万円を熊本県にお届けしたところでございます。
市議会におかれましても、独自の募金活動や市民の皆様と様々な支援活動をなされていると伺っております。
ご協力をいただいている皆様に、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
まもなく地震発生から2か月が経とうとしておりますが、未だ多くの被災者の方々が不自由な生活を強いられております。
今回の熊本地震は、隣りの県で甚大な被害が発生したものであり、私ども久留米市が果たすべき役割は非常に大きいと思っておりまして、今後とも、市議会や市民の皆様と連携し、物心両面にわたり、できうる限りの支援を続けてまいりたいと考えております。
一方、今回の地震では、久留米市におきましても4月16日に、震度5強を記録し、その後も断続的に余震が続く中で、多くの市民の皆様が自主的に避難され、不安な日々を送られる事態となりました。
私は、市長就任以来、「安全に安心して暮らせるまちづくり」に積極的に取り組んでまいりましたが、今回の大地震をまのあたりにして、さらに実践的な対策を講じる必要があると痛感しております。
現在の「久留米市地域防災計画」は、久留米市の地域特性を踏まえ、土砂災害、洪水災害、そして地震災害も想定した計画となっており、これに基づき、ハード、ソフトの両面から防災及び減災対策の充実、強化を図ってきたところでございます。
しかし、今回の熊本地震や昨年の鬼怒川が氾濫した大規模災害などを見ますと、現在の対策が十分に機能するのか、あらゆる状況を想定したうえで、様々な角度から再点検を行わなければならないと考えております。
安全に安心して暮らせるまちづくりにおいて最も重要なことは、災害時に、市民の皆様の尊い命を守ることでございます。
今後、防災、減災対策の強化、災害発生時の迅速、的確な対応の再構築に向けて、市議会、そして市民の皆様や関係機関のご協力を得ながら、積極的に取り組んでまいる所存でございます。
(1)久留米シティプラザについて
次に、本年度稼動いたします、大規模プロジェクトの運営について述べさせていただきます。
まず、久留米シティプラザについてでございます。
久留米シティプラザは、これからの久留米市の持続的発展へ向けた最重要プロジェクトとして精力的に取組んでまいりましたが、本年4月27日、多数のご来賓や大勢の市民の皆様とともに開館を祝い、久留米の文化・活力の戦略的な拠点施設としてスタートを切ることができました。
無事、開館を迎えられましたのは、市議会をはじめ、関係機関の皆様、そして市民の皆様のご支援、ご協力の賜物でございまして、改めまして、心より御礼を申し上げます。
さて、シティプラザの開館から、1か月が過ぎました。
開館以降、ピアノコンサートや有馬頼底氏を席主にお迎えした茶会などの自主事業、六角堂広場での街なか遊園地の取り組み、市民オーケストラと市民合唱団によるベートーヴェン「第九」の公演など、多彩な市民公募事業も開始されており、6月5日時点で開館から8万人を超える、数多くのお客様にお越しいただいております。
また、シティプラザの開館を契機としまして、市民や、企業、団体による様々な取り組みも、活発に行われております。
祝賀イベントとして、4月29日には、久留米商工会議所や市民有志が中心となり、明治通りを歩行者天国とした「くるめ楽衆国まつり」が開催され、15万人もの人出で賑わいました。
また、久留米地域の特産品を取り揃えた「くるめヨカモン屋」をはじめ、シティプラザ周辺では新たな商業施設が出店され、商店街に賑わいが生まれ始めております。
六ツ門テラスで楽しく会話されているお客様の姿や、六ツ門商店街では、学生や子育て世代など、若い人たちが行き交う姿が数多く見られ、開業効果の感触を得ているところでございます。
8月からは、ホールなどが本格的なオープンとなります。
8月13日には、藤井フミヤさんによる開館記念コンサート、10月4日には、「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」によるクラシックコンサートの開催とともに、国際的な数千人規模の学会も予定されております。
このような、様々なオープニング事業や、MICE(マイス)の開催などを通じ、国内外の方々から高い評価をいただき、末永く愛される施設となりますよう、そして、市民のための施設として、久留米市の活性化のための施設として、その設置目的を達成できますよう、一致団結して取り組んでまいりますので、引き続き、市議会の皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げる次第でございます。
(2)宮ノ陣クリーンセンターについて
次に、宮ノ陣クリーンセンターについてでございます。
宮ノ陣クリーンセンターは、市民の快適な生活環境を維持するため、上津クリーンセンターと南北2か所体制による、長期安定処理の実現を目的に、整備を進めてまいりました。
昨年末からは、施設機能の確認と調整を行うため、焼却施設の試運転を行い、4月1日より一般ごみの受け入れを開始したところでございます。
地元であります宮ノ陣町八丁島地区をはじめ、関係者の皆様方には、改めまして心より感謝を申し上げます。
そのような中、4月2日に工場棟内の破砕選別施設において火災が発生いたしました。
市民の皆様には、ご心配をおかけいたしましたが、火災発生以降、原因となった機器の構造変更をはじめ、再発防止策を講じておりまして、再度このような事案が発生しないよう、安全対策を徹底してまいります。
今後は、今月、本格稼働します宮ノ陣クリーンセンターの安全で、安定的な運営に努めますとともに、老朽化により機能低下が進んでおります上津クリーンセンターの長寿命化に向けて、計画的に改修事業を進める必要がありますことから、本議会に、上津クリーンセンタープラント設備改修工事に係る契約議案を提案しているところでございます。
また、本年度は、城島・三潴地域の分別収集制度の統一や、粗大ごみ・特別収集制度の全市統一、新18種分別収集制度への移行、そして、指定袋による一般廃棄物処理手数料の改定など、新たなごみ処理制度がスタートした年でもあります。
市民や事業者の皆様方のご理解とご協力によりまして、順調に新しい制度に移行していると思っております。
今後とも、市議会をはじめ、市民や事業者の皆様と協働し、様々な環境施策に取り組んでまいりますので、引き続き、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
(3)久留米市美術館について
次に、久留米市美術館についてでございます。
3月議会で「久留米市美術館」という新たな名称をご承認いただき、10月の開館に向け、現在は、美術館運営の基本となります、魅力溢れる独自コレクション形成のための準備を進めているところでございます。
本議会におきましては、坂本繁二郎作品を含む、2点の絵画取得に関する議案とともに、効果的、効率的な管理運営に向けて、指定管理者の指定議案を提案しているところでございます。
また、これまでにも多大なご支援をいただいております石橋財団からは、約200点の美術作品の寄託と約1万4千冊の関係図書の寄贈をいただくことになりました。
寄託作品の中には、青木繁の「月下滞船図(げっかたいせんず)」や古賀春江の「素朴な月夜」、黒田清輝の「鉄砲百合」などの大作も含まれております。
今後、これらの作品や図書を活用し、魅力的な展覧会の開催や調査研究活動の充実に努めてまいりたいと考えております。
また、美術館別館につきましては、石橋正二郎 名誉市民を顕彰し、その足跡を学ぶ場として「石橋正二郎記念館」に生まれ変わることとなります。
株式会社ブリヂストンの創業者である石橋正二郎 名誉市民は、戦後、荒廃した社会環境が子どもたちに及ぼす影響を憂い、文化施設のみならず、体育施設、教育施設等の寄贈を行われるなど、今日の久留米市の礎を築いた最も偉大な先達の一人であります。
これまで久留米市には、正二郎氏の精神や足跡を学び、顕彰する場がなかったことから、今回、石橋財団との協議の中で、別館を改修し「石橋正二郎記念館」として寄贈を受ける運びとなりました。
私は、この記念館を、子どもたちが久留米に生まれ育ったことを誇りに思い、郷土愛を育む場として、大切に活用していきたいと考えております。
今年の秋には、「久留米市美術館」と併せてまして、別館も新たなスタートを切ることになります。
石橋正二郎名誉市民の「世の人々の楽しみと幸福(しあわせ)の為に」という、崇高な理念と想いを後世にしっかりと引き継ぐため、石橋文化センター全体を含め、久留米市美術館の魅力向上と適切な管理運営に向けた移行準備に万全を期す所存でございます。
最後に、地方創生総合戦略の推進についてでございます。
平成28年度は、「久留米市キラリ創生総合戦略」に基づく取り組みを本格的に実践する年であります。
「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立するため、総合戦略におきましては、「雇用の創出に向けた産業の振興」と「久留米市への移住促進」を戦略の大きな柱としております。
まず、産業の振興につきましては、官民の推進組織として、「久留米市産業振興協議会」及び「久留米市雇用・就労推進協議会」を設置し、現在、地域産業の振興や雇用の創出、若者の地元就職の促進等について協議を進めているところでございます。
また、企業誘致の受け皿となります産業団地の整備も進めております。併せまして、これからの成長性が高く、裾野が広い、観光関連産業の振興に、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
そのためには、民間のマーケティング力やマネジメント力が必要でありまして、新しい観光地域づくり組織である、久留米市版DMO(ディー・エム・オー)の設置に向けた検討を急ぎ、戦略的な観光振興を展開してまいります。
次に、久留米市への移住促進でございますが、より多くの方に久留米に移り住んでいただくためには、まず、久留米を知ってもらうことが重要でありますことから、首都圏や福岡都市圏に向けた、戦略的な情報発信に取り組みたいと考えております。
情報発信の拠点施設としましては、「久留米広域連携中枢都市圏」4市2町での取組みであります、首都圏でのアンテナショップの開設に向け、久留米市が主体となって、国の交付金を活用し、積極的に取り組みを進めてまいります。
そして、久留米に興味や関心を抱いていただいたお客様が、気軽に相談でき、様々な相談にも、的確かつ迅速にお応えすることができますように、移住・定住総合窓口の体制強化を進めているところでございます。
今後、地方創生の推進にあたりましては、市議会はもとより、地域や産業界、学術研究機関、金融機関などとの連携のもと、着実に、スピード感を持って実践し、人と地域と都市の活力の向上に繋げてまいる所存でございます。
以上、大きく3点について申し上げましたが、市民の皆さん一人ひとりを大切にし、安全で活力に満ちた久留米市のまちづくりを推進するためには、地域の力の結集と協働による取り組みが不可欠であります。
あらためまして、正副議長をはじめ、議員の皆様、そして市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。
ここで、本日提出いたしております議案の審議をお願いするにあたりまして、各議案の提案理由の説明を申し上げます。
第68号議案及び第72号議案は、公営企業会計及び特別会計の補正予算でございます。
第68号議案は、平成27年度の下水道事業会計におきまして、利益剰余金の一部を補てん財源として処分するため、平成27年度久留米市下水道事業会計補正予算(第3号)を定める必要が生じましたが、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告し、承認を求めるものでございます。
第72号議案は、平成27年度の国民健康保険事業特別会計におきまして、大幅な医療費の増加などにより、歳入が歳出に不足することから、平成28年度歳入の繰上充用を行うため、平成28年度久留米市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)を定める必要が生じましたが、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告し、承認を求めるものでございます。
次に、一般議案について、各議案の提案理由を説明申し上げます。
第69号議案から第71号議案までは、公務遂行中の事故による、損害賠償額の決定、和解について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告し、承認を求めるものでございます。
第73号議案は、老朽化したマイクロバスの買換えに当たり、中型バスを取得しようとするものでございます。
第74号議案は、公務遂行中の交通事故に係る和解契約を締結しようとするものでございます。
第75号議案は、久留米市美術館の指定管理者を指定しようとするものでございます。
第76号議案及び第77号議案は、久留米市美術館に所蔵するため、美術品を取得しようとするものでございます。
第78号議案は、津福本町ほか11町内の市道路線を認定しようとするものでございます。
第79号議案は、長門石橋耐震補強 上部工1期工事の執行に当たり、契約金額を変更しようとするもので、第80号議案は、長門石橋耐震補強 上部工2期工事に係る契約を締結しようとするものでございます。
第81号議案は、上津クリーンセンター プラント設備改修工事に係る契約を締結しようとするものでございます。
続きまして、第82号議案から第88号議案までの条例議案について、各議案の提案理由を説明申し上げます。
第82号議案は、法律に定める事務以外の事務の処理に関して個人番号を利用し、及び市の同一機関内で特定個人情報の連携を行うものについて、新たに条例に規定しようとするものでございます。
第83号議案は、法人市民税の法人税割の税率引き下げ、個人市民税における医療費控除特例の導入等を行おうとするものでございます。
第84号議案は、審査申出人の代表者等の資格に関する書面等に係る規定を整備しようとするものでございます。
第85号議案は、精神病床への入院医療費に係る重度障害者医療費の支給対象の見直しを行おうとするものでございます。
第86号議案は、久留米市善導寺公園相撲場ほか8施設の管理を指定管理者に行わせようとするものでございます。
第87号議案は、久留米市世界のつばき館の管理を指定管理者に行わせようとするものでございます。
第88号議案は、日渡(ひわたし)住宅、新谷(しんがい)住宅及び草場(くさば)団地をそれぞれ廃止しようとするものでございます。
以上をもちまして、各議案の提案理由についての説明を終了いたしますが、なにとぞ、慎重なる御審議の上、満場の御賛同を賜りますようお願いを申し上げまして提案理由の説明とさせていただきます。
(平成28年6月10日)