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更新日:2023年05月12日 16時42分
市民団体の久留米市西部ツーリズム協議会および田主丸・未来創造会議から、それぞれ筑後川遺産への登録申請がありました。有識者による『久留米市文化財保存活用地域計画協議会』の審査を経て、この2件が本市の歴史文化の特徴を現し、その価値が市民に共有できるものと認められたため、令和5年3月31日、初めての筑後川遺産として登録されました。
筑後平野の良質な米と水に恵まれ、城島の酒造りは、江戸時代から始まりました。筑後川の水運は久留米藩が支配しており、年貢米の上方輸送のため、若津には大きな港も造られ、下流域で多くの産業が繁栄しました。明治・大正時代になると経営に成功し、財力を得た蔵元の多くは、その財を地域のインフラ整備や人材育成に使いました。酒造りの発展が、城島の地域産業(農業・瓦造・木工業)や文化芸術を育て、酒造りがまちづくりにつながり、今でも見事な甍の酒蔵や酒造り関係の産業遺産が多く残されています。
『筑後城島酒蔵百景』から
株式会社花の露
田主丸町では、南に耳納連山、北に筑後川、その間に広がる平地など豊かな自然に恵まれ、昔から果樹・植木・苗木・米・麦・野菜など多彩な農業が営まれています。これを背景に、今も年間200以上ものご神事や伝統行事など、数多くの地元の祭りが残ります。しめ縄など必要なものは地元で入手できる材料を使う地産地消が実践され、また五穀豊穣を願い感謝する神事をお世話することが、今も人々の関係を深める大切な地域行事として認識されています。すなわち、祭りは地域における自然・産業・社会の各資源が連関して初めて持続可能であり、祭りはローカルSDGsを示すバロメーターです。
夜渡のようす
虫追い祭りのようす