トップ > 健康・医療・福祉 > 障害者支援・地域福祉・生活支援 > 久留米の地域福祉マガジン「グッチョ」 > 【担当者コラム】小学生4人。グッチョを調べた
更新日:2022年07月27日 09時55分
【突然の依頼「話を聞きたい」】
「秋山さんはたくさんのグッチョを書いている」「できるだけたくさんのことを調べたかった」―――。
グッチョ創刊から1年、延閲覧数は3万を超えました。そんな中、うれしい出来事がありました。
2022年6月下旬、北野小学校で4年生の担任を務める岡美紀先生から電話がありました。聞けば、授業で身体障害をテーマに、4~5人の班で調べて発表する予定で、ある班にグッチョの14話「ヒーロー誕生の背景に聴覚障害」を見せたら興味を持ち、話を聞きたいと言っているのだそう。
当然、二つ返事で承諾。Zoom越しに、私がグッチョへの思いや記事の狙いを話しました。さらに障害者福祉課の職員も同席し、久留米市が行う身体障害者への支援や担当課の思いを伝えました。
ここで終わらないのがグッチョ。子どもたちがどのようにまとめていくのか、気になって仕方がない。「みんなを取材に行ってもいいかな?」と聞くと、子どもたちから「やったー」と歓声が。学校の許可も下りて、成果発表会のリハーサルにお邪魔することになりました。
【障害のある暮らしを感じた学習】
取材当日、教室では発表で使うスライドや模造紙の準備が進んでいました。具体的に何を調べたのか、作業中の子どもたちに話を聞くと、単純に障害のことを調べるのではなく、「仕事」「スポーツ」「移動手段」「道具」「生活環境」など、暮らしや身の回りのことを深堀りしていました。
「手足が動かなくてもできる仕事がたくさんある。働きたいと思っている」「スポーツでも車いすを使う競技もあれば、義手や義足でやるものもある」「音の大きさを表す(デシベル)を調べた。聴覚障害は聞こえるか、聞こえないかだけでないことを知ったから」。他の班も、手話をダンスに乗せて伝えようとしたり、点字を覚えやすくするのにクイズ形式にしたり。私の質問に自分なりの言葉で説明する子どもたち。【障害のある日常や暮らし】を実感できているようでした。
【特別なことでも他人事でもない】
表紙の4人はグッチョを深掘りしてくれた班のメンバーです。取材する私を質問責め。「最初に書いた記事は」「なぜこの記事を書こうと思ったんですか」「グッチョを出す目的は何ですか」と、なかなか鋭い。君たちは記者か。私の答えを受けて発表用スライドを修正。「グッチョとは」「グッチョの思い」など、全6枚のスライドにまとめました。冒頭のコメントは「秋山さんのインタビュー」というスライドのものです。
最後に「グッチョには、これからどんな人を取り上げるのですか」と聞かれ、「どんな人でもいいと思う。障害があっても、暮らしが苦しくても、認知症になっても、みんなこの久留米で暮らす人。その中で(何かをし合う物語)を書いて(いいな)とか(大切だな)と感じてもらえればうれしいよ」と答えました。
困り事や生きづらさの原因は障害や病気にではなく環境や配慮に。だから他人事ではありません。まとめのスライドに「障害を特別なことと思わない」という言葉。「ああ、きっと伝わってるなぁ」と、またにんまりする私でした。
(担当・フトシ)