トップ > 健康・医療・福祉 > 障害者支援・地域福祉・生活支援 > 久留米の地域福祉マガジン「グッチョ」 > 【担当者コラム】グッチョにあふれた夏休み
更新日:2021年10月20日 16時00分
【子どもの学習・生活支援の場で】
祭り、海水浴、キャンプ ―― 始まった時のワクワク感と、減らない宿題の山。誰しもが振り返る夏休みの思い出です。令和3年は令和2年に続いて、水の祭典も花火大会も中止になりました。それでも、「今しかできない体験」が一つでいいからあってほしい。性別も年齢も、生活環境も関係なく、誰でも。
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私の所属は生活支援課です。生活保護を担当し、いろんな事情を抱えた家庭と向き合っています。子どもたちの学習や生活を支えるのも仕事の一つです。久留米市はその業務を、NPO法人わたしと僕の夢(以下、わた僕)に委託しています。私はその担当でもあるので、現場に時々顔を出しています。そこに来ている子どもたちと先生たちの「ひと夏のチャレンジ」を振り返ります。
わた僕に通うのは中学生で、週2日、2時間勉強し、食事をします。令和3年は巣立った高校生もよく顔を出して、一緒に勉強したり、高校のことを教えたりしています。
そんなわた僕で6月頃、夏休みの思い出に何かしようという話し合いがありました。その結果、「糸島の自然公園『フォレストアドベンチャー』に行く」と「そのための資金を稼ぐための物販会をする」という計画がまとまりました。
子どもたちの中には、いろんな経験ができない子もいます。ワクワク体験も成長には大切な要素。「何とか、子どもたちにそんなチャンスを」と、 私は同僚に物販会への応援を呼びかけました。
【それぞれの得意を生かし合う】
8月下旬、市役所の一角で物販会は開かれました。代表して中学3年の子たちが売り子に。計算が得意な子はレジ係をし、抜群のセンスを持つ子は商品をディスプレイ。いつも笑顔の元気な子が真っ先にお客さんを出迎えました。
得意を生かす―――。準備段階からそうでした。事前の話し合いで活躍したのは、コミュニケーションが上手なAさん。みんなの意見をうまく聞き「物販でお金を稼ごう」という発想を引き出したことで、目標額まで決まりました。イラストが得意なBさんは、「仕入れた物をそのまま売ってもおもしろくない」と、パッケージに貼るキャラクターシールを制作。手先が器用な子は、できたシールを商品にきれいに貼り、コツコツと最後まで仕事をやり遂げるCさんを中心に袋詰めしました。
物販会では、商品を通じてお客さんとのおしゃべりも生まれていました。「ありがとうございます!」と、とびっきりの笑顔を送る子どもたちの表情が印象的でした。
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10月上旬。子どもたちの笑顔はフォレストアドベンチャーにありました。とびきりの笑顔で思い出をつくった夏休み。でも本当のワクワク体験は、物販会というチャレンジにあったのかもしれません。「得意」を持ち寄ることで、初挑戦を成功に導きました。一生懸命考えた時間と経験を共有し、そこで生まれた「プラスの気持ち」をお客さんとも共有。たくさんの【グッチョ】にあふれた夏休みの出来事でした。
(担当・ミリアム)