トップ > 健康・医療・福祉 > 障害者支援・地域福祉・生活支援 > 障害者差別の解消 > 障害者差別の解消に向けた取り組み
更新日:2024年11月19日 13時17分
令和6年4月1日、久留米市障害者を理由とする差別をなくす条例が施行されました。これまで久留米市では、障碍者差別解消法に基づき、障害者差別解消のための基本方針及び障害者差別解消に関する職員対応要領を策定し、障害者差別解消の取り組みを進めてきました。
当条例の施行を新たな契機とし、障害者差別の解消に関する様々な取り組みを進めてまいります。
この条例は、「障害者差別解消法」を基礎とし、「福岡県障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例」との整合を図りつつ制定されました。各法令についての詳しい内容は、下記のリンクからご参照ください。
条例では、「障害者差別解消法」の用語の定義を根拠として、「障害を理由とする差別」「不当な差別的取り扱い」「合理的配慮」を定義しています。それぞれの用語の関係性は次のようになります。
「障害を理由とする差別」とは | 不当な差別的取扱い | 不当な差別的取扱いを「すること」が差別 |
---|---|---|
合理的配慮の不提供 | 合理的配慮を「しないこと」が差別 |
「不当な差別的取り扱い」とは、正当な理由もなく、障害があるということを理由に、障害のない人とは異なる、不利益になる扱い(取扱い)をすることをいいます。
その例として条例では、利用などを「拒否する」「制限する」「条件を付ける」などの行為を示しています。
この行為には、次のような事例があります。
これらは一例です。「障害」を理由に、本来得られる「権利」に差をつけてはいけません。「合理的配慮」を行いながら、サービスなどを受ける「権利」が平等になるよう、取り組みます。
条例では、「障害の有無に関わらず誰もが実質的に同等の日常生活又は社会生活を営むことができるよう、障害者又はその家族等(障害者が意思の表明を行うことが困難である場合に限る。)の求めに応じて、必要かつ適切な現状の変更又は調整を行うことをいう。ただし、社会通念上その実施に伴う負担が過重になるものを除く。」としています。
合理的配慮は、障害の特性、内容、施設の状況、本人が望むこと、などの要素から必要な配慮が決まるという性質から、こうすれば良いという基準を設けることが困難です。
そのため、合理的配慮の実施のためには、互いによく話し合い、必要な配慮について決めていく過程が重要となります。ここでは、合理的配慮の目的、「権利の平等」について、下図を用いて説明します。
下図左は、「観る」という権利に対して、「踏み台」を一つ提供するという、「平等なサービス」が提供されています。サービスの内容を中心とした視点では「平等」とされます。しかし、「観る」という権利を中心とした視点だと、真ん中の人、右側の人は観えておらず、「平等」ではありません。
一方、下図右は、それぞれの状況に合わせて、踏み台を1個から3個提供しています。これにより、全員が同じように「観る」ことができており、「権利の平等」が守られています。
「合理的配慮の提供」とは、このように権利が平等になるようにという視点で考え、柔軟に制度やサービスの内容を変えることを求めています。
合理的配慮をしないこと(合理的配慮の不提供)の禁止については、行政機関等には法の施行当初から法的義務とされました。
一方、民間の事業者には、法の施行当初は努力義務でしたが、令和6年4月1日より法的義務となることが決定しています。
なお、事業者には、社会福祉法人、NPO法人などの非営利事業者も含みます。
区分 | 不当な差別的取扱いの禁止 | 合理的配慮の提供 | |
---|---|---|---|
法の施行当初 | 行政機関等 | 法的義務 | 法的義務 |
事業者 | 法的義務 | 努力義務 | |
令和6年4月1日以降 | 行政機関等 | 法的義務 | 法的義務 |
事業者 | 法的義務 | 法的義務 |
条例では、障害者差別の解消に向けた施策に関する基本事項を定めています。それらを実施するために、基本方針を整備、および障害者計画等による進捗管理を行い、様々な施策を推進します。
基本方針は、障害者差別解消法が施行された平成28年に、当事者や事業者等の意見、パブリックコメントを経て策定されました。条例が制定されたことに伴い、必要な改正を行い、再整備します。
市は、職員が率先して合理的配慮を行うためのガイドラインとして、職員対応要領を策定し職員の理解向上に努めています。
障害者差別に関する相談は、健康福祉部障害者福祉課が窓口となります。障害者福祉課への相談が難しい場合は、久留米市障害者基幹相談支援センターや、身体障害者相談員及び知的障害者相談員へもご相談できます。
障害当事者委員のほか、様々な分野の関係機関から選出された委員で構成する協議会です。障害者差別解消の施策等が効果的に進むよう検討し、市へ意見します。