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更新日:2024年09月24日 15時30分
プレコンセプションケア(Preconception care)とは、将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことです。いまは妊娠や出産を考えていなくとも、プレコンセプションケアを実践することでいまの自分がもっと健康になって、人生100年時代の満ち足りた自分の実現につながります。
プレコンセプションケアの目的は三つあります。一つ目は、若い世代の健康を増進し、より質の高い生活を実現してもらうことです。二つ目は、若い世代の男女が将来、より健康になることです。三つ目は、一つ目の実現によって、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすることです。
若い世代の男女です。若い女性のやせや肥満の増加、出産年齢の高齢化などから、リスクの高い妊娠が増加しています。加えて、男性の肥満も不妊のリスクを高めるため、注意が必要です。そのため、プレコンセプションケアを行うことで、健康や妊娠前にリスクを減らしていくことにつながります。また、日々の生活や健康に向き合えるよう若い世代の支えとなる周囲の方々にも、プレコンセプションケアを知っていただき、より豊かな人生につなげていきましょう。
やせも肥満も様々な病気のリスクだけでなく、不妊や妊娠・出産のリスクを高めます。過度なダイエットなどで栄養不足によりBMI18.5未満の「やせ」は、貧血や将来の骨粗鬆症の原因になります。一方で、BMI25以上の「肥満」は、糖尿病や高血圧症など病気のリスクを高めます。男性の肥満は、不妊のリスクを高めるという報告があるので、注意が必要です。
BMIの計算
BMI=体重(キログラム)÷身長(メートルの2乗)=体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)
BMI | 判定 |
---|---|
25以上 | 肥満 |
18.5 以上 ~24.9以下 | 標準の範囲 |
18.5 未満 | やせ |
例)身長160.0センチメートル、75キログラムの方のBMIの判定は?
「160.0センチメートル」は「1.6メートル」になります。これをBMIの計算式に当てはめると、
BMI=75(キログラム)÷1.6(メートル)÷1.6(メートル)=約29.3
BMIの判定は、「肥満」です。
健康であるために、また長く維持できるように生活を見直し、改善を必要とする場合があります。どのようなことがあるかご紹介します。見ていきましょう。
プレコンセプションケアでは、1週間に150分程度(1日にすると20分から25分)の運動を目安としています。運動する習慣がない方は、テレビ体操(ラジオ体操)や階段を利用するなどできそうなものから始め、慣れてきたら運動量を増やしてみましょう。
第3期健康くるめ21(久留米市健康増進計画)によると、ストレスの原因は、全体では「仕事」が最も多く、次いで「家族の問題」、「人間関係」となっています。また、睡眠不足の理由として最も多いのは「ストレス」、次いで「仕事」となっていますが、若年層では「趣味・娯楽」も睡眠不足の理由になっていました。
仕事等と休養のバランスを保ち、ストレスと上手に付き合い、十分な睡眠を確保し、心身ともに健康な状態を維持しましょう。
主食、主菜、副菜が揃った食事を1日3食摂ることが基本です。さらに、乳製品や果物を1日1回摂り入れることで栄養バランスが整います。
「葉酸」は、胎児の健やかな成長に必要な栄養素です。ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜、納豆等やサプリメントから摂取しましょう。
今から始める栄養ケア(栄養バランスと葉酸)(1039キロバイト)
喫煙が健康に与える影響は大きく、たばこを吸い始めないことや禁煙することが望ましいです。喫煙は、肺がん、循環器疾患(脳卒中、虚血性心疾患)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)等の発症リスクを高めます。また、不妊、ED(勃起不全)、流産・早産、低出生体重児などを引き起こす可能性があります。喫煙は、疾病の原因の中でも防ぐことができるものであり、禁煙は多くの疾病のリスクを減らすことができる方法です。
アルコールは、肝臓や膵臓等の臓器障害、高血圧、がん等に加えて、不安やうつ、自殺といったリスクとも関連していると言われています。また、健康日本21では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量(1日当たりの平均純アルコール摂取量)を男性で40グラム以上、女性で20グラム以上と定義されています。妊婦の飲酒は、少量でも胎児に影響を及ぼす可能性が大きいため、禁酒が必要です。
お酒に含まれる純アルコール量の算出式
摂取量(ミリリットル) × アルコール濃度(度数/100)× 0.8(アルコールの比重)
例: ビール 500ミリリットル(5パーセント)の場合の純アルコール量=500(ミリリットル) × 0.05 × 0.8 = 20(グラム)
各酒類のドリンク換算表:「e-ヘルスネット(厚生労働省)」より一部抜粋
種類 | 量 | 純アルコール換算(g) |
---|---|---|
ビール(5パーセント) | 350ミリリットル | 14 |
ビール(5パーセント) | 中瓶(500ミリリットル) | 20 |
日本酒(15パーセント) | 1合(180ミリリットル) | 22 |
チューハイ(7パーセント) | 350ミリリットル | 20 |
ワイン(12パーセント) | ワイングラス(120ミリリットル) | 12 |
梅酒(13パーセント) | 1合(180ミリリットル) | 19 |
健康診査などを定期的に受けることで、以前の数値と比較して、現在の健康状態を知ることができます。また、がん検診は、初期のがんが症状なく進行することもあり、一般の健康診査だけではわかりませんので大切です。昨年の検査データが良く、とくに症状がないからといって、今年も良い結果とは限りません。年に1回は健康診査を受けましょう。
久留米市の健診等は、こちら「健康診査・がん検診」をご覧ください。
ワクチンは、病気にかかりにくくしたり、重症化を予防する目的があります。また、かかった時の症状が軽度で治まることもあります。また、風疹のように妊娠中にかかると、赤ちゃんに影響を与える恐れのある感染症があります。かかりつけ医等に相談して、予防接種を受けましょう。
かかりつけ医は、日頃の健康状態を把握し、病気にかかった時や健康に関することを何でも相談できる、身近で頼りになる医師です。気軽に相談できることで、病気の早期発見や重症化の予防にもつながります。
卵巣の中に卵子がどれくらい残っているかを調べるための「AMH検査(抗ミュラー管ホルモン検査)」を受ける費用を助成します。この検査は、プレコンセプションケアに取り組む機会につなげることを目的としています。
詳しくは「久留米市AMH検査費助成事業チラシ(受託医療機関は裏面に記載)」(1086キロバイト)をご覧ください。
検査の際は「久留米市AMH検査費助成事業申請書兼実施報告書」(528キロバイト)をご活用ください。
若い世代の健康増進による、より質の高い生活の実現と、より健全な妊娠・出産のチャンスの増加により、次世代の子どもたちをより健康にすることを目的として、市民に向けた講演会を開催いたします。
詳しくは「令和6年度久留米市プレコンセプションケア講演会」のページをご覧ください。
リプロダクティブ・ヘルス/ライツは、性と生殖に関する健康と権利です。自分の身体に関することをすべての人が自分自身で選択し、決められる権利があります。そのため、子どもを産むか、産まないか等は、自分で選択し、決定することができます。