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事業所税のQ&A

更新日:202009101625


【1】久留米市が新たに事業所税の課税を始めるのはどうしてですか。

【2】久留米市では、平成22年8月1日から事業所税の課税を始めると聞きましたが、市内に事務所を置き、3月末決算の法人である当社の税額はどのように算定することになりますか。

【3】免税点は基礎控除と考えてもいいですか。

【4】免税点の判定にあたって、“非課税”又は“課税標準の特例”の適用がある場合はどのように判定をすればいいですか。

【5】非課税となる福利厚生施設にはどのようなものがありますか。

【6】事業年度の途中で新設又は廃止された事業所に対する資産割の課税標準はどのように算定することになりますか。(支店・営業所等の新設、廃止について)

【7】既設事業所内で行われる家屋の新増築又は取り壊し等による事業所の拡張・縮小により、床面積に異動がある場合はどのように算定することになりますか。

【8】敷地の隅にある倉庫について、取壊し費用が高額となるため現在は放置したままになっており、また、今後も使用する予定はないのですが、この倉庫についても事業所税の課税対象になりますか。(休止施設について)

【9】貸ビルの所有者は事業所税の納税義務者となりますか。また、空室がある場合でも課税されますか。

【10】貸ビル等における床面積のうち、共用部分の床面積についてはどのように算定することになりますか。

【11】従業者割において、事業年度の中途に退職した者はどのように算定することになりますか。

【12】従業者割の免税点の判定を行う場合、休職中の従業者は従業者数に含めて判定することになりますか。

【1】久留米市が新たに事業所税の課税を始めるのはどうしてですか。

事業所税は、事務所や事業所を持つ企業が集中する都市の財政需要に応えるために創設された目的税で、昭和50年3月31日の国会で法律案が可決成立(同日公布)し、同年10月1日から施行されたものです。この法律(地方税法)の中で、人口30万人以上で政令において指定された都市(指定都市等)は、「都市環境の整備及び改善に関する事業に要する費用に充てるため、事業所税を課すものとする(地方税法第701条の30)」とされており、該当する都市の課税が義務づけられています。久留米市は、平成17年2月5日に旧1市4町で合併をし、人口30万人を超える規模の都市となり、法律に基づく事業所税を課税することになりました。なお、久留米市では、合併特例法等の適用により、平成22年8月1日から課税が始まりました。

【2】久留米市では、平成22年8月1日から事業所税の課税を始めると聞きましたが、市内に事務所を置き、3月末決算の法人である当社の税額はどのように算定することになりますか。

事業所税は、事業所税の課税開始(本市の場合は平成22年8月1日)以後に終了する事業年度分の法人の事業及び同年以後の年分の個人の事業に対して課税することになっています。そのため、貴社の場合、資産割については平成23年3月31日現在の事業所等の延床面積により、従業者割については平成22年4月1日から平成23年3月31日までの期間中に支払われた給与総額を課税標準として、それぞれ税額を計算し、申告納付していただくことになります。「課税標準」とは、課税の対象となるものを金額や数量で表示したものです。

【3】免税点は基礎控除と考えてもいいですか。

事業所税における免税点の制度は、中小零細事業者の負担を排除するために設けられているものであり、基礎控除の制度ではありません。従って、例えば、課税標準の算定期間の末日における事業所等の延床面積が1,500平方メートルの場合は、資産割の免税点(1,000平方メートル以下)を超えることになりますが、この場合、その超えた部分のみではなく、全体の1,500平方メートルが課税の対象となります。「免税点の制度」とは、税の負担配分に対する公平性等の観点から、一定の課税標準以下について納税義務を免除するものです。「基礎控除の制度」とは、申告者全員に適用される基礎的な控除のことで、所得税であれば、一律38万円が所得から控除されることになります。

【4】免税点の判定にあたって、“非課税”又は“課税標準の特例”の適用がある場合はどのように判定をすればいいですか。

免税点の判定にあたっては、“非課税”がもともと法の適用除外を定めたものであるため、“非課税”の適用を受けた床面積又は従業者数をそれぞれ控除した後の延床面積又は従業者数によって免税点の判定を行います。また、“課税標準の特例”の対象となるものについては、“課税標準の特例”がもともと負担の軽減を図る趣旨であることから、“課税標準の特例”の適用前の延床面積又は従業者数により、免税点の判定を行います。

【5】非課税となる福利厚生施設にはどのようなものがありますか。

一般的に福利厚生施設として認められているものとしては、「体育館、売店、食堂、娯楽室、診療室、理髪室など」があります。また、業務上必要な施設としてではなく職員の福利厚生施設として使用されているものであれば、「更衣室、浴場、休憩室、仮眠室、喫煙室、宿泊室など」も福利厚生施設になります。一方、「研修室など」は業務上必要とされるものにあたるため、福利厚生施設には該当しません。その他、一定の場所に固定しない(他の場所に移動可能な)自動販売機なども福利厚生施設として取り扱うことはできません。なお、人の居住のために使用される「社員寮、社宅など」は、もともと課税の対象から外されています。

【6】事業年度の途中で新設又は廃止された事業所に対する資産割の課税標準はどのように算定することになりますか。(支店・営業所等の新設、廃止について)

事業年度の途中において、支店や営業所等の事業所が久留米市内に新設され、又は廃止された場合、当該新設又は廃止された支店や営業所等の事業所床面積については、新設された場合は事業年度の末日現在、廃止された場合は廃止の日現在の該当事業所の床面積を月割して算定することになります。ただし、廃止された場合の資産割に関しましては、事業年度の末日において市内にある他の事業所等の延床面積が免税点を越えていなければ、課税されません。

【7】既設事業所内で行われる家屋の新増築又は取り壊し等による事業所の拡張・縮小により、床面積に異動がある場合はどのように算定することになりますか。

支店や営業所等の新設・廃止は、事業の一単位として認められるため、その課税標準(事業所床面積)の算定については月割計算が認められていましたが、今回のように、1つの事業所内で行われる床面積の異動については、免税点、課税標準共に算定期間の末日現在における事業所の延床面積で算定することになります。

【8】敷地の隅にある倉庫について、取壊し費用が高額となるため現在は放置したままになっており、また、今後も使用する予定はないのですが、この倉庫についても事業所税の課税対象になりますか。(休止施設について)

現に事業の用に供していない状態にある施設については、休止施設にできる場合があります。この休止施設には、物置など他の用途に供されていたり、現に事業を行っていない場合であっても、事業に供するための施設の維持補修が行われており、いつでも使用ができる状態にあるような遊休施設や断続的な休止(季節的休止)は含まれません。事業を休止している場合の休止している部分に係る床面積(区画されていることが必要)については、課税標準の算定期間の末日まで連続して6ヶ月以上休止の状態にあることが認められれば、課税標準の床面積に算入しなくても良いことになっています。ただし、免税点の判定にあたっては、当該休止している部分の床面積も算入して判定することになりますのでご注意ください。なお、老朽化や破損等により使用もされず、将来的に使用する予定のない廃棄同然と評価されるものについては、課税の対象とはなりません。

【9】貸ビルの所有者は事業所税の納税義務者となりますか。また、空室がある場合でも課税されますか。

事業所税の納税義務者は、事業所等において事業を行う法人又は個人となります。従って、貸ビルの貸室については、当該貸室を借りて事業を行う者(使用者)が納税義務者になります。なお、貸ビルの所有者が自ら使用する事業所等の床面積又は従業者数が免税点を超える場合は、当該ビルの所有者にも課税されることになります。また、貸ビルに空室がある場合は、空室の部分について事業を行う者が存在しないので、事業所税の課税対象とはなりません。

【10】貸ビル等における床面積のうち、共用部分の床面積についてはどのように算定することになりますか。

貸ビル等における共用部分の床面積の課税標準の算定方法については、貸ビル等の入居者がそれぞれ専用している部分の床面積によってあん分して算定することになります。たとえば、貸ビルにおける階段、エレベーター室、エレベーター前ホール、機械室、電気室等は、原則として入居者全員に係る共用部分として取り扱います。なお、1つのグループに係る共用部分と他のグループの共用部分とが明確に区分できる場合には、それぞれ分けて算定することになります。

【11】従業者割において、事業年度の中途に退職した者はどのように算定することになりますか。

免税点の判定の基礎となる従業者数には含まれませんが、それでも免税点(事業所の合計従業者数が100人以下)を超える場合は、該当者の退職時までに支払われた給与等は従業者給与総額に含めて算定することになります。

【12】従業者割の免税点の判定を行う場合、休職中の従業者は従業者数に含めて判定することになりますか。

休職中の従業者については、該当者に対して給与等が支払われている場合は従業者数に含めることになります。なお、休職中の従業者で課税標準の算定期間中に全く給与等の支払いを受けていない場合は、免税点の判定上、従業者数に含めなくても差し支えはありません。

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